2002.3.8 − 3.11
ひさしぶりのクライストチャーチ
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クライストチャーチの空港に降り立つと、ジワッというかんじで暖かかった。でも夏ってほどじゃないんだよなぁ。とりあえずＴシャツ1枚になってみるけど、風が通るとスースーする。フリースを1枚はおった。
4回目になるニュージーランド。空港に降りたって、いつもまっさきにするのは、到着ロビーにあるインフォメーションカウンターでテレホンカード(Phone Card)を買うこと（現金は前回の残りがあるので）。ついでに壁のラックにいっぱい置いてあるパンフレット類から最新版のＢＢＨの冊子をもらう。ＢＢＨとはニュージーランド全土にある旅行者向けの安宿（バックパッカーズ）を束ねる団体。加盟店の住所や値段、ＰＲがのった冊子が無料配布されている。
ＢＢＨの冊子で電話番号を確認、常宿のバックパッカーズ、フォーリー・タワーズ"Foley Towers"に電話をかけて、ベッドが空いているか聞いてみた。
いつもならこれで部屋を押えて宿に向かう。でも今回は Full と言われてしまった。シングルなら空いてるそうだが、つい反射的に断ってしまった。でも考えてみた。今はワーキングホリデー時代のような金銭的にキツキツの旅行ではないから、ちょっとくらい高くても平気なのに（笑） どうやら貧乏旅行根性が染みついてしまっているらしい。
しようがないから、別のバックパッカーズ "Shalom"(シャローム)に電話してみた。ワーキングホリデー時代の友人がヘルパーとして働いていた宿だ。部屋は空いているという。ついでに聞いてみるとなんとその友達がまだここにいるというではないか。
彼女とは5年前のワーキングホリデーのときに知り合った。少しのあいだ同じ家で一緒に居候していたことがある。ワーキングホリデーが終わったあとも、彼女からはなぜかクライストチャーチから手紙をもらうことが多かった。ワークビザじゃないと思うけど、どうやってずっと滞在しているんだろう？ そういえば2年前も Shalom で会ったかなぁ。日本で家は近いのに会うのはいつもクライストチャーチ、なんとも不思議な関係だなぁとおもう。
空港からクライストチャーチ市内へのバスは20分に1本の割である。$4。え、こんなに高かったっけ？ すっかり感覚が抜けてしまっている。ハグレーパークを抜けるとき、懐かしい思いがこみ上げてきた。リカトン地区にフラットを借りて住んでいたときは毎日ここを歩いていたんだなぁって。2年ぶりのニュージーランド、帰ってこれてうれしい。
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落ち着いてどっしりと構えているように見えるクライストチャーチの町もずいぶん様変わりしていた。ずいぶん長く過ごした場所だから、街のことなら勝手知ったる自信がある。でも今回はあちこちが微妙に違っていて、すぐに不安になってきてしまった。あれぇ、このあたりに安いセカンドハンドの店があったのになぁ？ とか。
町中にお気に入りのタイ料理店がある。ワーキングホリデー時代に友人が働いていて、ごちそうしてもらったり、その後もちょくちょく行っていた。Gloucester Street のアーケードのなかにある"Thai Tasty"という店だ。間口が広くて入りやすい。スパイシーなフライドベジタブル＆ミート＋ライスがどっさり山盛り$5で食べられる。おおざっぱな野菜の切り方も豪快でぼくは好きだった。
今回もさっそく行ってみた。向いにある"大阪屋"という日本食店が大きくなっていたほかは、かわらず Thai Tasty は同じ場所にあった。でも中に入ってみるとなにかがちがう。この店にはいつも日本人の女の子の店員がいた。ワーキングホリデーの女の子が入れ替わり立ち替わりいつもいたのだ。それにこの店のちょっと有名なオーナーの姿も見えない。オーナーはニュージーランド人とタイ人のゲイのカップルだった。そのふたりと、ワーホリの日本人の女の子がいるのが常だった。でもいまカウンターの中にいるのはまえのタイ人とは明らかに雰囲気が違う紳士風のタイ人男性とタイの女の子ふたりだけ。
出てきた料理もまえと違っていた。ライスがボールで型をつけたように整えられていて、脇にちょこっと肉野菜炒めが盛ってあった。ぜんぜん違う！ あのおおざっぱな豪快さはどこにいってしまったんだ！ 店の名前はおなじなのに、中身はまったく変わってしまったようだ。日本だと何かと高いタイ料理だけに、クライストチャーチに来るまえから、ちょっと楽しみにしていたのにがっかり。
しかし後日、サウスシティモール South City Mall の前にある別のタイ料理店になにげなく入ってびっくりした。なんとあのゲイカップルのKIWIの方がいたのだ！ どういうことだろう？ そう思って厨房の奥をのぞきこんだ。そこでフライパンを握っているのは見たことのないタイ人男性だった。あれ〜、パートナーはどうしたんだろう？ 別れちゃったのかなぁ。もしかして店を手放したのは、そのせい？ と思わず勘ぐってしまう。
出てきた料理はたしかに昔 Gloucester Arcade で食べたのと同じ味、野菜のきざみ方だった。なにはともあれレシピはしっかり受け継がれているようだ。とりあえずホッとした。いろいろかわったけど昔の懐かしい味にまた出会えてうれしかった。
