◆バックパッカーズ／会員制導入について

ニュージーランド格安旅行の宿として推薦してきたバックパッカーズ・ホステルですが、残念ながら2001年頃より「会員制」が導入されてしまいました。

バックパッカーズはユース・ホステル（ＹＨＡ）と違い、年会費が不用で誰でも気軽に泊まれるのが魅力でした。ですが現在は会員制が導入され、年会費$40を払って"The BBH Club Card"を購入する必要があります。

会員制になったのはBBH (Budget Backpacker Hostels) という組織に加盟している全国290のバックパッカーズです。ニュージーランド国内全部のバックパッカーズというわけではありませんが、ほぼすべてといっていいかも知れません。

ユースホステル同様、会員でなくても泊まることはできますが、その場合は通常表示料金の$2/day増になります。

BBHクラブ・カードを持っていれば、これまでの宿泊料から$2割引になるというなら、話もわかりますが、これまでの料金を据え置きで、非会員からは余分に料金を取るというのが許せません。実質的には組織ぐるみでの大々的な料金つり上げと言えます。

以前は利用者の利便で宿を自由に選択できました。年会費を払ってでもクォリティが確保されたユースホステルを利用するか、より気軽で廉価なバックパッカーズを利用するかとうい選択ができました。それになにより短期旅行の場合は、わざわざユースホステルの会員になるメリットはありません。そんなときにも気軽に泊まれるバックパッカーズは魅力的でした。

これまでバックパッカーズ利用を強力に推進してきた私としては、これはニュージーランドのバジェット・トラベラーには打撃的な「改悪」としか思えません。自由な雰囲気が魅力だったバックパッカーズだけに残念です。

● 今後の利用のアドバイス

なんだかんだ言ってＢＢＨの組織は大きく、全国にあるほとんどのバックパッカーズが加盟しています。（2002年現在290施設）。そのためＮＺを旅する上で有用なのは依然間違いありません。

まずは、ＹＨＡにしてもＢＢＨにしても自分の旅の宿泊予定日数を計算して、会員になった方が徳かどうか考えます。会員と非会員の差額は1泊あたり$2で、年会費が$40ですので、単純計算で20泊以下なら、会員になるメリットは少ないと言えます。

さらに考えたいのは会員割引等の付加価値についてです。BBHの場合は、会員証が$20のプリペイド・テレフォンカード（Talkplus）になっていますので、宿の予約や日本への国際電話などで電話を有効に使う人であれば、10泊程度で元が取れることになります。

ＹＨＡの場合は、アクティビティの各種割引サービスが受けられるのが魅力です。博物館や観光ツアーなど窓口で提示すれば割引を受けられる場所が多いですし、Hoytsという全国チェーンの映画館では学割料金が適用されます。その他全国各地でさまざまなＹＨＡ割引が展開されています。詳しくはＹＨＡの公式ウェブサイト http://www.yha.org.nz/joinyha.asp でご確認ください。

宿泊施設数に関してはYHAは57箇所、観光で行くような町ならたいていあります。一方ＢＢＨは小さな田舎町も含めて全国290施設。実際問題、ふつうの観光旅行であればＹＨＡでもだいたいカバーできるはずです。ＹＨＡ会員証はニュージーランド以外でも日本をはじめ世界中のユースホステルで使えるメリットもあります。

このようにＹＨＡかＢＢＨのバックパッカーズかの選択はなかなか難しいものがありますが、一般的にはワーキング・ホリデー・ビザで滞在している人など、車を購入して比較的長期で旅をするならＢＢＨの方が利用価値が高いかも知れません。

大学生の春休みの旅行など、1〜2ヶ月で比較的短期で旅する場合、まずユースホステルを中心に使うか、バックパッカーズを中心に使うか考えた方がいいと思います。短期の旅行のために両方の会員になるのは不経済です。どちらか一方の会員になり、必要に応じて別の方もエキストラ料金を払って利用するという方法がいいかと思います。

会社の休暇などで行く1週間程度の旅なら、どちらに関してもわざわざ会員になる必要はないでしょう。