オトゥムヘケ・ストリーム
（ホットウォーター・ストリーム,タウポ）
 ニュージーランド北島タウポ Taupo の町から歩いて行かれる温泉の川。通称タウポのホットウォーター・ストリームとして知られている。天然温泉や温泉の川というとたいていが山奥や辺鄙な場所にあるのが相場なのに、ここは町に近いきわめて便利な場所にある。そのくせ「地球の歩き方」や「Lonely Planet」、ほか地元の観光案内にも載っていない摩訶不思議な場所だ。正式にはオトゥムヘケ・ストリーム Otumuheke Stream というらしい。
ホットウォーター・ストリームは、タウポの町とフカ滝 (Huka falls) をつなぐ遊歩道 (Taupo Walkway) の途中にある。袋小路になった道路末端のカーパークから、まずは広い芝生の丘を突っ切って下っていく。芝地を抜けてワイカト川 (Waikato River) 沿いに出ると正式な遊歩道が始まる。すぐに木製の小さな橋を渡るが、その下を流れる小川が オトゥムヘケ・ストリーム Otumuheke Stream だ。
ほとばしるように流れてくる小川の水がすべて温泉で、温度はなんとか手で触れるくらいのちょっと高め。
ワイカト川との合流付近がちょうどいい温度になっている。適温の場所選びがなかなか微妙なところで、水の上の層と下の層ではっきり温度が違うからむずかしい。いつも水を掻きまわしているか、腕で体を水面近くに浮かせて入る、もしくは浅いところで寝そべるように浸かるなどのテクニックが必要。
ワイカト川のほうまで行くと完全な冷水で、川幅が広いので泳ぐこともできる。温泉で温まったら川で泳いでまた温まるという繰り返しも楽しい。
そんな場所だから昼間は地元の子供たちが遊びにきていてちょっと騒がしい。それに遊歩道の途中だから観光客の往来も少なくない。あたりに着替えられるような物陰もないので昼間に入れるのは男性に限られるかもしれない。
星空を見上げながら
お勧めは夕方から夜、日が暮れたころにいくこと。あたりは真っ暗で満天の星空の下、優雅な気分で湯につかれる。着替えも闇にまぎれてそれほど気にならない。しかし、そんなことは誰もが考えるようで１時間もいれば一組二組くらいは人がくるのでそのつもりで。
カーパークから温泉までは、だだっ広い芝生の広場を抜けて10分以上歩く。ところどころに杭があって道しるべになっているけど、夜の闇の中ではわかりにくい。はじめて行ったとき、帰り道で迷ってしまった。懐中電灯は必携注意しながら歩いてほしい。
どうやらホットウォーター・ストリームのすぐ脇まで車を乗り入れられるルートがあるらしい。夜に行くのであればそっちのほうがいいと思う。宿の人かインフォメーション・センターで聞けば教えてくれるはずだ。
歩いていく場合、タウポの町から4、5キロなので1時間程度で着けると思う。でも夜は人もほとんど歩かない真っ暗な道だから、ちょっと物騒。宿で会った人を誘ったりして複数で行くことをお勧めする。
夜に行くとわかりにくいけど、温泉の川の脇に看板が立っていて、「原発性アメーバ性髄脳膜炎に感染する恐れがあるから、湯に顔をつけるな」と書いてある。気をつけてほしい。
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