◆ ムダを無くそう ワーキングホリデー/日本での準備

ワーキングホリデーでニュージーランドに行くにあたって、日本での準備について思いつくままに書いてみました。自分自身の少ない経験から、独断であれこれ書きますが、考え方のひとつとしてお読みいただけますと幸いです。

・エージェント（代理店）を通すか否か？ ・英語学校について ・英語学校の入学手続き ・銀行口座開設 ・現地での荷物預かり、手紙の保管等 ・海外旅行者保険 ・書類上の連絡先

＃エージェント（代理店）を通すか否か？

最近では、ワーキングホリデーの準備というと、ワーホリ専門の手配業者探しから始まると思っている人もいるみたいです。しかし、はっきり言ってエージェントを通すのはお金のムダです。そう断言しちゃいましょう。

ワーホリ経験者に、「ムダだったと思うこと」を聞いてみると、第一位に上がるのが、エージェントに払った手数料だったりするのが現実。

ここでいうエージェントとは、ワーキングホリデーの一切合切を面倒みますと言って、航空券手配、英語学校・ホームステイの斡旋、空港への送迎、現地での荷物預かり、銀行口座の開設などを手伝ってくれる民間業者のことを指しています。

日本にいるときは、心強く感じるエージェントの存在ですが、そこで代行してくれることなんて自分で簡単にできる手続きばかりですし、荷物預かりや手紙の受け取りなどのサービスにしても、現地ニュージーランドに行けば無料で行なってくれるサービスセンター等が複数あります。

確かにエージェントを通してしまえば、楽です。日本で忙しい仕事の合間にあれこれ手続きをすることを考えれば、たかが5万円くらい（ぼくの知っているかぎり1997年当時で、某社の手数料は約5万円でした）と考える人もいるかもしれません。

しかし現地に行って、ニュージーランドの生活レベルに慣れてきたとき、この5万円の重みがずいぶん変わってくるのを感じるはずです。

もう一度言います。ワーキングホリデー斡旋業者が売り物にしているサービスは、どれも自分自身で簡単に手続き出来るものばかりです。せっかく自分自身でなにかをしようとワーキングホリデーに旅立つのですから、ぜひ準備の段階から自分自身の手で行なってみませんか？

＃英語学校について

ワーキングホリデーというと、なんとなく王道ともいえるコースがありますが、その手始めが英語学校＆ホームステイでしょう。

よく「英語学校に行くべきでしょうか？」という質問をもらいますが、「お金に余裕があるなら行ったら？　でも英語が話せるようになるとは期待しないほうがいいよ」と答えています。

自分自身、英語学校には1ヶ月半ほど行っていましたが、英語習得という本来の目的で意味があったとは感じていません。

ただ、現地生活になれるための準備期間としての意味は多いにあると思います。

旅慣れた人なら関係ないかもしれませんが、海外に不慣れな人が、なんのツテもなくいきなりニュージーランドに来ても、最初はとまどいと不安、カルチャーショックから、なにをしていいのかわからず、鬱状態になってしまう場合があります。

その点、とりあえず学校に申し込んでおけば、居場所があるし、やるべきこともある。徐々に現地での生活に慣れていくにはいい場所だと思います。

でもだたそれだけです。

高いお金を出してまで学校に行くべきかと言われたら、かなり疑問。別にやりたいことがはっきりしている場合や、海外自由旅行に慣れている人にはまったく無用の長物かもしれません。

本当に英語を勉強したいのであれば、入国当初よりむしろ、ＮＺの生活に慣れて、言葉もある程度理解できるようになってきた頃や、帰国前に行った方が効率がいいんじゃないのかなという気がします。

現地でしばらく生活していれば、英語についてもあれこれ疑問に感じることが出てきますので、そういうときに学校を利用した方が、目的意識を持って勉強できるのではないでしょうか。

＃英語学校の入学手続き

留学エージェントが最大の売り物にしているの、英語学校の手配かもしれません。しかしこれもまったく個人で手続きをすることができます。

自分の場合は、ますは東京渋谷にあるニュージーランド大使館に行きました。ここに留学関係の情報コーナーがあります。そこから学校のパンフレットをたくさんもらってきて、金額・立地条件などで良さそうなところをピックアップ。直接資料請求の手紙を出しました。で、その中から対応の良かったところと契約、という感じで手続きを進めました。

今ならインターネットでも情報がいろいろあるので、個人手配もだいぶやりやすくなっているんじゃないでしょうか。

留学関係の本を見ると、英語学校の一覧表みたいのが載っていて、資料請求の手紙（英文）のサンプルなども載っているので、図書館等で借りてきて利用するのも手です。（敢えて買えとは言いません(^^;）

で、学校を申し込む上での注意点ですが、まずあまり長い日数で申し込まない方が無難です。ワーキングホリデー・ビザの規定では最長3ヶ月間、学校に通えることになっていますが、間違っても3ヶ月分も申し込んでしまわないように！

せいぜい2週間から1ヶ月くらいがいいところです。

いざ現地に行ってみたら学校の質が悪くて、学校を移りたいけど、前金で払っているからやむなく耐え続けるなんて話はたくさんあります。

期間を延長するのは簡単ですが、反対にお金を返してもらうのは至難の業ですので、とりあえずはなるべく短い期間で申し込んでおくのが正解です。

さらに言えば、学校に行きたい場合でも、日本から申し込みをしないで、現地で実際にいくつかの学校を見学してから、現地で申し込むというのがいちばんオススメかもしれません。

日本である程度の情報収集をしておいて、とりあえず渡乳（渡米とおんなじ用法です）。ユースホステルにでも泊りながら、学校を下見。そんなプランはどうでしょう？　学生から生の声も聞けますし、学校サイドからの情報ではわからない本当の学校の様子が見えてくると思います。

＃銀行口座開設

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)では、日本にいながら口座開設をできるサービスを行なっています。これを利用する人が圧倒的に多いようですが、これも個人的にはあまりオススメしません。

日本での開設手数料は5000円でしたっけ？　しかし現地で直接口座を開けばタダです。国は違うとはいえ同じ銀行なのに、なんで日本で口座を開くとバカ高い手数料を取るのでしょう？　考え過ぎかもしれませんが、英語が出来ないことにつけ込んでの阿漕な商売のように感じてしまいます。

実際、現地へお金をどのように持っていくかということにもつながってきますが、トラベラーズチェックを作る際の手数料との比較、為替レートの変動などで、もしかしたら日本で口座を開いた方が徳ということもあるかもしれません。

そのあたりは時代・時期によって違いますから、よーく調べて検討してくださいね。

ちなみに、現地ニュージーランドで口座を開く場合は、会話なんかできなくたって手続きできますし、現地で知り合ったワーホリの先輩にでもお願いすれば一緒に手続きに行ってくれるハズ。

あとは英語学校に通うのであれば、先生や学生の面倒を見てくれるアドバイザーが手伝ってくれますので、心配いらないです。

＃現地での荷物預かり、手紙の保管等

入国当初はスーツケースで来たとしても、いざニュージーランド国内を旅行してまわろうと思ったら、ほとんどの人はバックパック姿になります。そうなると、スーツケースをはじめとした不要品をどうしようという問題が出てきます。

そんなときのために、エージェントでは、「荷物預かり無料」を売り物にしていますが、これもさして魅力的なサービスとは思えません。大都市にある入会金不要の現地の日本人向けインフォメーションセンターでも預かってくれますし、ホームステイをするなら、ホストファミリーに頼めばたいてい預かってくれます。

それに、バックパッカーズ（宿）でも無料で預かってくれるところがありますし、フラット(アパート)を借りている友達のところにおいていったりと、現地に入ってしまえば、荷物預かりなんて、どうにでもなってしまいます。

郵便物の保管についても、各バックパッカーズやユースホステルでも預かってくれますし、郵便局の局留もオーソドックスな方法です。車を購入する場合など、どうしても住所が必要な場合、バックパッカーズの住所でレジストレーションをしている人もたくさんいます。

＃海外旅行者保険

ワーキングホリデー準備段階の出費として、1年間の海外旅行者保険にかかるお金も大きな位置を占めています。

斡旋業者を通すと、ほとんど機械的にワーホリ向けとか留学者向けと銘打った保険パックをつけられることが多いようです。

でも、これもちょっと待った！　です。

その保険の内容は本当に自分にあったものでしょうか？　よーく吟味してみてください。

たいていの場合は、自分に必要な保険を自分で組み合わせて加入する「バラ掛け」にした方が安くつくものです。

たとえば自分の場合、山歩きをする関係上、救援者費用の保険を高めに設定たり、「疾病による死亡」はニュージーランドでは考えにくいので省いたり、疾病治療よりケガの治療費を高く設定したりと、自分の旅行スタイルにあった保険にアレンジしています。

各人の考え方にもよりますが、私の場合、死亡時の保険は不要と考えています。現実的に必要なのはむしろ治療費の方でしょう。この辺のバランスを変えるだけで、だいぶ保険料は節約できます。

＃「書類」上の連絡先について

ワーキングホリデーは1年にも渡る長期旅行でもありますし、「海外移住」の一種とも言えるかもしれません。旅行であるなら住所不定であるのは、あたりまえのことですが、1年という長期にわたるため、なにかと固定住所の必要性も出てきます。

たとえば銀行口座を開くときの連絡先であるとか、車を買った場合の登録住所ですね。

こういう場合、どうしたらいいのか―。

最近ですと、まっさきに思い浮かぶのが、留学斡旋業者のサポートを受けるというパターンかもしれません。

しかし、再三書いていますが、たかがそれだけの理由で無駄なお金を使うことはありません。

現地を旅行中の住所なんて、向こうに行けばどうにでもなるからです。

ワーホリの最初に学校に通うというのであれば、その学校の住所を使わせてもらえるでしょうし、ホームステイ先にお願いすることも可能です。

それにひとつの街にしばらく滞在するのであれば、なんだかんだで友達ができますから、そういった人たちのフラットの住所を使わせてもらうという手もあります。

あと、いちばん簡単なのは、バックパッカーズなどの住所を使ってしまうというパターン。 たいていの宿で、ゲスト宛ての手紙の保管をしてくれます。

国際空港のある街の人気のバックパッカーズのメイルボックスを見ると、車の登録証やら、銀行の明細やら、いろんな手紙が舞い込んでいるのを目にします。

みんな宿の住所で銀行口座を開いたり車の登録をしている、というわけです。

現地の実態を知ってしまえばなんてことはない。

どうぞ、安心して単身ニュージーランド・ワーキングホリデーに飛び込んでいってくださいな。