◆ ニュージーランド観光旅行を考える ◆

ニュージーランド旅行に都会的要素を求めてはいけない

ニュージーランドを旅する魅力ってなんだろうって考えるときに、その最たるものが、例えばトランピング（トレッキング）なんじゃないかと思う。

大都会オークランドあたりをベースにしていたワーキング・ホリデー・メーカーたちが「ニュージーランドはつまらない」なんてぼやいているのを聞くことがある。それは根本的にニュージーランドという国を誤解しているというか、本質的な目のつけどころが違っているからじゃないかと思う。

ニュージーランドに都会的な華やかさを求めちゃいけない。最大の都市オークランドでさえ日本の地方都市程度の規模でしかないのだから。にぎやかな世界を求める人はさっさとオーストラリアかアメリカにでも行ってしまえばいい。

ふつうのパックツアーのコースからもわかるように、ニュージーランド観光の目玉は"自然"だ。雄大なフィヨルド地形のミルフォード・サウンド、万年雪をたたえたマウント・クック、フォックス、フランツ・ジョセフの氷河。みな自然の織りなす景観を楽しむ場所だ。

誰でも気軽に行かれる場所でさえ、あれほどのすばらしい景色なのだから、さらに一歩踏み込んで、人の手の入っていないウィルダネスへ分け入ったらどんなものが待っているのだろう？　それらに自分の足で近づいたらどれほど感動が違ってくるのだろうか。

その延長にあるのがトランピング（山歩き）だ。つまりニュージーランド観光の本質をより突き詰めた形がトランピングだと思うのだ。

ぼくはニュージーランドを旅行中、バンジージャンプやスカイダイビング、ラフティングなどいわゆるニュージーランドらしいと言われるアクティビティはいっさいしなかった。トランピングという自分主体で動く最高のアクティビティを前にしたら、そられはお仕着せのレールに乗るようでまったく魅力を感じなかったからだ。それより、地図で見つけた温泉を目指して山に分け入る方がよっぽどエキサイティングな体験だ。

Do it yourself の精神でニュージーランド旅行を創る

トランピングに限らなくても、ちょっと視点を変えるとニュージーランドは本当に遊べる国だと思う。ニュージーランドには無料で楽しめるフィールドがどこまでも広がっている。それこそ大都市でさえ少し外れれば魅力的な場所がたくさん眠っている。たとえばクライストチャーチ近郊の某所、市バスで行かれる場所なのに、ちょっと海に顔を浸けてみると大きなアワビ（パウア）がゴロゴロなんてことも。

とにかくニュージーランドに都会感覚を持ち込んだらダメ。ニュージーランドに行ってカラオケやゲームセンターを探してどうする？　楽しいことは自分で発掘するという感覚が大切。

それとやっぱり情報かな。日本のメディアに載っているニュージーランド情報は非常に限られている。現地の人や旅人、インフォメーションセンター、本屋、図書館などで自分なりのアプローチをしてみると意外なものが見つかったりして楽しみの幅が広がる。

ぼくの場合は、特に 手掘り温泉(野湯) に着目している。また、あちこちに残っている廃村や昔の産業跡（金鉱とか）巡りの旅もおもしろそうだ。各地に残る古い建造物を巡る旅や、ワイナリーや各地にあるビール工場の無料見学をはしごするというのもいいかもしれない。

もし、ワーキングホリデーなどでゆっくりニュージーランドを旅行をできるのなら、そんなふうになにかテーマを見つけてじっくりひとつの国を堪能してみることを奨めたい。