1999年7月より、エイベルタズマン・コースト・トラックに予約制が導入されました。ミルフォード・トラック Milford Track、ルートバーン・トラック Routeburn Track に次いで3番目の完全予約制トラックになりました。

ＤＯＣの説明によると、このトラックには年間 27,000 人もの山小屋利用者があり、無制限にハット・チケットを発行していたときは、小屋に入りきれない人が頻発。今回のような完全予約制に踏み切ったそうです。

確かに私が歩いた1998年当時でも、「早く小屋に着かないと床で寝ることになる！」とのウワサをよく耳にしました。そんなこともあり、私は迷うことなくキャンプ泊を選んだのでありました。（天気が安定した地域だし、なによりその方が安上がり！　笑）

予約制になって、到着時間を気にせず確実にベッドが確保できるのはありがたいことですが、ちょっと煩わしいなというのも正直なところ。また行動に自由がなくなったのも残念ですが、ニュージーランドで一番人気のトランピング・コースだけに致し方ないところなのでしょう。

さて、この項では、エイベル・タズマン・コースト・トラックの予約の方法をまとめてみたいと思います。私自身は予約制導入後は歩いたことがないので、文献からの転記であることをお断りしておきます。

現地からの予約：ニュージーランド国内から予約をするのは至って簡単です。ＤＯＣオフィスや町のインフォメーション・センターに行けば、Abel Tasman Coast Track と書かれたＡ４版二つ折り（見開きＡ３）の申込書 (Application Form)が置いてあります。地元ネルソン周辺でなくても、大きな町ならたいてい手にはいるはず。それに必要事項を書込んで、Motueka Infomation Centre 内にある Booking Desk にＦＡＸもしくは郵送するだけ。インフォメーションセンターでお願いすれば、その場で電話でブッキングを代行してくれるかもしれません。インフォメーションセンターを通せば、恐らくその場で支払いをし、クーポンを発行してくれるはずです。郵送する場合は、クレジットカード等で支払い、宿泊券は郵送してもらうか、前日あたりに現地のオフィスで引き替えることになります。

日本からの予約：皆さんが気にされているのは日本からの予約方法じゃないでしょうか。もちろん可能です。基本的な流れは上記と現地からの場合と同じです。ただ申込書が手元にないので、まずはそれを送ってもらうことからはじまります。

上記の住所が、予約を統括する機関ですので、まずそこへＦＡＸなどを送って資料請求します。あとはそれにしたがって、必要事項をＦＡＸか郵送、もしくは電話で伝え、予約をします。日本からなら、送金はやっぱりクレジットカードということになるでしょう。（銀行の送金小切手でもＯＫです。手数料が数千円かかってしまいますが…）

チケットの受け取りは、郵送か、もしくは現地オフィスに直接出向いてということになります。

アプリケーション・フォームの書式：とまあ、ここまでだったら市販のガイドブックにも書かれていること。せっかくなので、ここでは、申込書の記載事項等、予約の全容をご紹介したいと思います。申し込みは電話でも可能ですから、あらかじめ下記の事項についてまとめておけば、スムーズなやりとりができるはずです。

I wish to book Department of Conservation hut space on the Abel Tasman Coast Track for the following people:

ということで、まずは
(1)Contact Person/Trip Leader：代表者の性別(Mr/Mrs/Ms)、姓・名、住所、電話番号、ＦＡＸ番号を記入します。さらにチケットの種別（Adult/Youth(11 to School leaving age)/Child(0-10 yrs)）を明記します。

(2)Other Members of the party：同行者の性別、姓・名、チケットの種別を記入します

(3)I wish to book hut space at the following times (two consecutive nights per hut maximum)：

予約したい日付を第二希望まで記載します。上の表の通り、小屋ごとに泊まる日付を書込みます。ひとつの小屋に連続して泊まれるのは2泊までです。往復等で日を改めて同じ小屋に泊まる場合はトータルで2泊以上可能です。

(4)Payment Scedule：予約人数と料金を確認するための表です。（緑字は記入例です）

(5)Payment must accompany the application. No booking will be accepted without payment.：代金の支払方法の選択です。

日本からの申し込みの場合、クレジットカードか銀行の送金小切手になります。クレジットカードなら、Mastercard か VISA になります。カード番号、有効期限、名義、署名を記入します。銀行小切手なら、その旨を書いて小切手を同封、郵送します。

(5)Ticket Options：チケットの受け取り方法の選択です。どちらかにチェックを入れるようになっています。前者は郵送、後者は現地での受け取りです。

• I wish to have my tickets sent by return mail.
• I wish to pick my tickets up from the Abel Tasman Coast Track Booking Desk.

予約状況：エイベル・タズマン・ナショナルパークの最盛期はやっぱりクリスマスホリデーです。クリスマスの前後1週間くらいがピークになります。世界的に有名なミルフォード・トラックとは違い、地元ニュージーランド人家族が多いのが特徴かもしれません。

そんなことから、地元の夏休み期間、つまりクリスマス前から1月いっぱいが込み合う時期といえます。このあたりの予約は早めに行なっておいた方がいいかも知れません。具体的に何ヶ月まえなら大丈夫かという点はわかりません。ごめんなさい。

なお、２月に入れば、かなり予約は取りやすくなります。数日前でもＯＫということもあります。時期的にもまだ完全に夏の空気なので、2月がベストシーズンかもしれません。