トラバース・サバイン・サーキット Travers-Sabine Circuit は南島のサザンアルプスの北端に位置する、ネルソンレイク・ナショナルパークの代表的なトランピング・トラック。バックカントリー・トラックの中ではかなり有名なコースで、よく整備されており、気軽に荒々しい山岳風景に触れられる。お隣のアーサーズ・パス・ナショナルパークと違って川の渡渉がないことも敷居を低くしている。
アクセスも楽で、ネルソンレイクス国立公園のヘッドクォーターＤＯＣオフィスのあるセント・アーナード St.Arnaud の町から歩いてトラックに入れる。ほぼ周回するコースなので帰りのバスの予約などの面倒がない。セントアーナウド St.Arnaud へはネルソン〜グレイマウスのバスが途中で停まる。
トランピング初日は湖 ( Lake Rotoiti ) 沿いを歩いて Travers Valley に入る。その後、広々とした平坦な谷をさかのぼっていって、 Travers Saddle (1787m) を越えて Sabine Valley に沿って帰ってくる。5日ほどの行程だ。
これがＤＯＣのブロシュアに載っている標準コースだけど、これだけじゃ面白くない、というかこんな歩き方をする人は少ない。
なんといってもこのトレッキングのハイライトは両谷の間にそびえる山脈の縦走。これなくしてネルソンレイクは語れない。帰路に Sabine Valley の途中からトラックを外れて峰へ登っていく（ポールの立ったルートになっている）。
目の高さに脈々と走る他の山々。天上界を散歩しているようで気持ちがいい。山脈上の湖のほとりにある アンジェラス・ハット Angelus Hut はロケーション、快適度ともに抜群の小屋だ。何日もかけて谷を一周しなくても、この小屋の往復だけで十分に満足できる。
