◆ 旅先での通信ツール考 〜 電話・テレホンカード編

もっともメジャーなコミュニケーションツールと言ったら、やっぱり電話でしょう。今回はニュージーランドの電話にまつわる旅行に役立つ話をいくつか。ニュージーランドではお得なテレホンカードのシェア争いが盛ん！

■ニュージーランドは国際電話が安い！

「国際電話は高い！」皆さんはそんな先入観はありませんか？　実は私もそう思っていました。1997年〜1998年、ワーキングホリデーでニュージーランドに滞在していたときは、一度たりとも日本へ電話したことはありません。まあ、必要もありませんでしたし、そもそも電話という手段なんて高くて論外で考えにも及びませんでした。

しかし近年、事情はだいぶ変ってきているようです。今となっては実はヘタすると国内通話より、日本へかけた方が安くつくこともあるニュージーランドの電話事情。知らなきゃ損です。

■TalkTalk / NetTel Card テレホンカード?

国際電話が安いというのは、実は TalkTalk や NetTel といった通信業者の回線を使った場合です。これらはたぶん最近日本でも話題になっているIP電話の会社。（たぶん、ですよ。詳しい仕組みは知りません）

これらの会社を使うと、日本への電話がなんと17〜21¢/min程度で済んでしまうのです。3分で40円くらい。1時間話しても800円。TalkTalk の場合はたまにキャンペーンをやっていて、2002年3月頃には日本へは期間限定で 14¢/min という破格の料金設定でした。

利用方法はプリペイド式。ただし日本ではなじみのないちょっとかわった方法かもしれません。あらかじめ、デイリーストアやインフォメーション・センター、インターネット・カフェなどで、"TalkTalk Card"や"NetTel Card"を買っておきます。$5、$10、$20、$50などがあります。

このカードは、まあ、一種のテレホンカードなわけですが、いわゆる日本のテレホンカードとはまったく別物。公衆電話に差し込むわけではありません。プラスチックでできたカード裏にカード固有の暗証番号"Card Number"が書かれています。 専用のフリーダイヤルにアクセスして、プッシュボタンで"Card Number"を入力、残り度数が認証されたら、かけたい日本の電話番号をプッシュ、という方法をとります。つまり、カード本体には有価証券的な価値はなく、認証番号に意味があります。だからカード自体は手元になくてもいい。番号さえ控えておけば捨ててしまってもＯＫ。反対に番号を他人に知られると勝手に使われる可能性もあるといえます。

こんな仕組みですので、公衆電話からでなくても、ホームステイ先などふつうの加入電話からも支払いを気にせずに気軽に国際電話がかけられるので便利です。

TalkTalk / NetTel Card の購入場所

先にも書きましたが、このカードは街角のデイリーストアやインフォメーションセンター、インターネットカフェなどの取扱店で手に入ります。買うときは、"TalkTalk Card"、"NetTel Card"と言えばＯＫです。会社によって何種類かのカードがありますが、いまのところTalkTalkカードが人気のようです。通話料はいちばん安いですし、音質もそこそこ。ただし込み合っているときはつながりにくいこともあります。そのへんの事情はは時代時代によって違うと思いますので、買うときにアドバイスをもらうといいでしょう。チェックポイントは、1)値段、2)つながりやすさ、3)音質、です。

アクセス番号

まず最初にかけるアクセス番号は、各カードの裏に書いてあります。

フリーダイアル 0800 165 000 Auckland 915 0019 Hamilton 957 0099 Christchurth 962 0099 Palmerston North 952 0086 Dunedin 955 0099 Wellington 913 0019

いくつもの番号があって最初は戸惑うかも知れません。ニュージーランド全国どこからでも使える基本の番号はフリーダイアルの0800 165 000です。公衆電話からでも加入回線からでもＯＫ。この場合、日本への通話料金は21¢/minになります。

もしオークランドやクライストチャーチなど上記の大都市にいる場合は、それぞれの専用の番号を使うとより安く17¢/minで通話できます。ただしこれはフリーダイヤルではないので、公衆電話からかける場合は別途50¢が必要になります。ホームステイ中やフラッティング中で加入電話回線が使える場合は、この番号を使った方が有利です。

これらの料金設定は、コロコロかわりますので、最新情報は TalkTalkの公式サイト でご確認をお願いします（おおむね年々安くなっているようです）。

■ふつうのテレホンカード New Zealand Telecom

ニュージーランドにも日本と同様のふつうのテレホンカードも存在します。街角に電話ボックスがありますが、そのほとんどはカード式です。カード電話でもクレジット・カード電話とテレホン・カード電話の２種類があるのが、ちょっとややこしいところ。テレフォンカード(Phone Card)は、街のインフォメーションセンター等で買えます。これは先の TalkTalk カードなどとは違い、基本的に日本のテレカと同じ。ＩＣチップ式なのでちょっと厚みがあります。

あっちの公衆電話は、受話器をあげるととりあえずツーツーという発信音が聞こえて、番号をプッシュできます。番号を入力するとその番号への通話に必要な最低電話料金が画面表示されます。それ以上の度数が残ったテレホンカードでないと発信できません。コイン式の場合も同じで、最低料金が投入されないとかけられない仕組みになっています。0800から始まるフリーダイアル（TalkTalk のアクセス番号等）へかける場合は、カードや現金は不用です。

日本の場合は、基本は10円で、距離によって60秒話せたり、10秒だけといった感じで"時間"の方がかわってきますよね。ニュージーランドでは、通話先の距離（地域）によって、最低限の料金が異なるという仕組みになっています。

だから遠い場所にかける場合、一言二言で終わらせて10円で済ませようといったことができません。間違い電話だったのにテレホンカード度数が$1も落ちてやられた〜、なんてこともしばしば。気を付けましょう。

■トークトーク・カードとフォンカードの使い分け＆裏技

私は最近ではニュージーランドへ行くと、トークトーク・カードとふつうのテレフォンカード Phone Card をそれぞれ買っています。トークトークは国際電話や、ＮＺ国内でも宿の予約など遠距離電話用。市内で知人へちょこっと電話するときなどはふつうのテレホンカードを使います。というのはちょっと話したいだけなのに、トークトークで何度もプッシュボタンを押さなくてはいけないのが煩わしいから。

ちなみにニュージーランドの市内通話は公衆電話からだと50¢。けっこう高いです。でも通話可能時間はすごく長い。自分はせいぜい長くて10分程度しか話したことありませんが、聞くところによると30分近くは話せるとか....。そこまでしてくれなくていいから、もっと基本料金を下げてくれたらいいのに。

あとちょっとした裏技ですが、公衆電話ではなく家庭などの一般加入電話回線では、市内通話では課金されません（電話の基本料金に含まれている）。つまり話し放題！　だから他人様のうちの電話でも料金を気にせず、電話を借りることができます。

バックパッカーズなどではゲスト用に電話を用意してくれているところもあり、たいていは一回20¢程度の寄付制です。公衆電話からかけて留守電で50¢を持っていかれるのも悔しいので、私は宿の電話をお借りすることが圧倒的に多かったです…、そこに泊まってない場合でも(^^ゞ）。Christchurch 市内ではそんな宿が3,4軒ほどあったかな。場所は、、内緒です（笑）

(27th Aug. 2002)

2002年8月27日追記：
本稿をアップ早々、ニュージーランドを旅行中の エイジさん が、電話に関する最新情報を寄せてくれました。

BBHのメンバーカード、
あれに"Talkplus"っていう20$分のプリペイド通話料が
付いてるのは秋場さんも御存知だと思いますけど
2000年あたりの旅人のコメントでは
「BBHのプリペイド電話は高い」という声が多かったみたいです。

でも、今年の１月に海外向けの通話料を値下げしたようで
(ちなみにTelstraClearという会社に合併した)、現在は日本へ
LocalAccessが18セント(1分あたり)、
0800Accessが20セントとなってます。

どうも調べた限りでは0800コールはこれが最安値。
BBHの電話もかなり使えるようになっているようですね。

ただ、国内通話が25セントというよくわからない設定。
大抵は2分以内で終わるんでこれ使ってますけど
日本にかけることを考えたらちょっと損した気分。

電話業界は1ヶ月毎に状況が変わってるので注意が必要ですよ。

(2002/08/27(Tue) 12:13)

電話関係はインターネット技術と共に日進月歩。このあたりの情報は水物と思ったほうがよさそうですね。その他、15¢/minの"Kia Ora"カードというのも力をつけはじめているとか。情報ありがとうございました。私が書いた情報は2002年初頭現在のものです。ご注意を。