海岸沿いの歩きやすいコース
ニュージーランドのトレッキング・コース（トラック）といえば、フィヨルドランド国立公園内のミルフォード・トラックやケプラー・トラックなどがとても有名です。でも、そんなのはほんの序の口。多種多様、無数のトラックが国中にあります。
今回は有名なコースをひととおり歩いてしまって、さて次はどこを歩こうかなという人に最適なトラック、ワイトゥトゥ・トラック = Waitutu Tracks（サウスコースト・トラックとハンプ・トラックの総称）を紹介しましょう。
トラックのベースとなるのはフィヨルドランド国立公園に隣接するトランピング（NZではトレッキングのことをトランピングと呼んでいる）のメッカ、テ・アナウから南へ80キロほどの小さな町トゥアタペレ。ここからタクシーで30分ほどのブルークリフズ・ビーチがスタート地点。コースは海岸沿いなのでアップダウンもなく比較的初心者でも気軽に楽しめます。
トラックのハイライトは、現存する木造陸橋では世界最大規模といわれるパーシー・バーン・バイアダクト Percy Burn Viaduct。陸橋の長さは125メートル、高さ36メートル。なんとその上を歩くことができるのです。
気分は映画『Stand by Me』。一見頼りなさそうなヒョロッとした橋で、手すりがついているものの足下をみるとかなり怖い。なにせ10階建てのビル相当ですから高所恐怖症の人にはちょっと験しいかも!?
なお、コースには大小4つの木造陸橋がありますが、この最大規模の陸橋は2つ目です。山小屋は3つあり、最初の山小屋ポート・クレイグ・ハットまでは約6時間ほど。ここから陸橋まではそう遠くありません。スタート地点から陸橋までの往復なら1泊2日か2泊3日のイージーなウォークです。
1920年代、このあたりはＮＺ屈指の林業地帯で運搬用トラムが走っていました。その線路跡に作られたのがこのサウスコースト・トラックです。
アワビ採りは1日10個まで
このコースのもうひとつの楽しみはアワビ (現地語でパウア：Paua)採り。陸橋散策のベースになるポート・クレイグ・ハット Port Craig Hut の近くには海へ向かう道があり、10分ほどで海岸へ出ることができます。このあたりの岩場で、引き潮の時にアワビが採れるのです。日本で買ったらいくらするんだろうというような立派なアワビが波間の岩陰にゴロゴロしています。
といっても、無制限に採っていいわけではないのでご注意を。大きさ125ミリ以上で1人1日10個までと決まっています。ちょっとその気になればそれこそ本当に山ほど採れてしまうのが日本と違うところ。くれぐれも調子に乗らないようにご注意を。
醤油とねりわさびのご持参もお忘れなく。
| 
