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歩行時間は3時間程度。歩き始めのトラック入り口にたどり着くまでが一苦労。辺鄙な場所にあるため、公共の交通機関は一切ない。近くに集落もないためヒッチハイクで車をつかまえるのも難しいだろう。唯一確実なのは、最寄りの町ホキティカからタクシーを手配すること、もしくはバックパッカーズの主人などに相談して車を出してもらうくらいしかないだろう。もちろん、レンタカーや自家用車を持っている人にはなんの問題のない場所だ。 途中の山歩きの様子は、「コース紹介」の"Cedar Flat Hut"の項目を参照してもらうとして、ここでは温泉の様子を詳しく紹介したいと思う。 山道を3〜5時間歩いたところにある Cedar Flat Hut という山小屋がベースになる。ここには New Hut と Old Hut のふたつの小屋があって、どちらも宿泊可能。もちろんNew Hutの方がきれいで明るく、居心地はよい。ベッド数はそれぞれ6人分と2人分ある。
しばらく行くと小さな沢にぶち当たる。あたりは草が生い茂っていてなかなか水辺は見えないが雰囲気で沢というのはわかるはず。このあたりはトラックが鮮明ではないが、適当に進んでしまって大丈夫だ。灌木帯をくぐるようにして河原へ出て、飛び石づたいに上流へ向かう。歩くときは必ず上流に向かって左岸を行くこと。 だんだん川幅が狭くなって、両側が絶壁状になった小さな峡谷(gorge)になる。そうなり始めたあたりの左手に大きく張り出した岩が見えるはずだ。日差しのように張り出したその岩の下の水たまりが温泉、Cedar Flat Hot Pools だ。小屋からは歩いて15分ほど。
温泉が湧く地面は砂地で、湯は灰色がかっていて、湧出に合わせてクリープのように渦を巻いている。いつまでたっても透明になることはなく、入るのにはちょっと抵抗があるかも知れない。肝心の湯温はというとちょっとぬるめ。砂地からしみ出してくる温度は触った感じで41度くらい。しかし湧出量が少ないのか、溜まっているお湯は体温と同じかそれよりすこし高いくらい。温泉に浸かっているときはなんとか大丈夫だけど、出ると肌寒いので、夕方や朝方の入浴は勧めない。せっかく目の前に清流が音を立てて流れているのだから、温泉と冷水を行ったり来たりという楽しみ方ができればいいのだけど、真夏でもそれは難しいだろう。（西洋人は意に介さず、冷水浴も楽しんでいたようだが…） さて、総合的に判断してこの温泉をどう評価したらいいだろう？ 温泉自体は「悪くはない」のだが、湯温の低さは致命的だ。体が温まるという充実感には乏しい。まわりの環境はなかなか良い。また小屋の快適さもいい方だろう。ただしアクセスという面では、自分の車を持っている人ならいいが、わざわざ高いタクシーをチャーターしてまで行くところかというと、ちょっと疑問だ。温泉までの道のりでは、歩行時間は短いが、途中、増水で通行不能になる場所があり、道がはっきりしないRouteの部分もあるのである程度地図が読める経験者向き。 そんなところから考えて、よっぽどの温泉マニア、もしくはトランピング自体が目的で、温泉はおまけというつもりで行く人に適した場所だろうと思う。 |
シーダー・フラット Cedar Flatは、ニュージーランド南島西岸に位置するホキティカ Hokitika の内陸30キロほどの場所にある平原。その近くの河原に湧いている温泉が Cedaer Flat Hot Pools だ。ご多分に漏れず、ここへ行くにもちょっとした山歩き（トレッキング／トランピング）が必要になる。
山小屋に錆びたシャベルが置いてあるので、それを持って温泉へと向かう。山小屋へ来る途中に道しるべがあって、温泉と小屋の分岐点になっている。そこまで戻って、道しるべに従って"Hot Springs 10mins"という方向へ進む。草が茂っていてちょっとわかりにくいが、すぐに急な細い斜面を登るようになっている。登り切ると、これまでとはうってかわって広々としたトラックに出る。それを右に歩いていく。このポイント、帰りには見落としがちなので、後ろを振り返ってよく場所を覚えておこう。
