Otehake River Hot Springs

■オテハケ川の温泉

アーサーズパス国立公園のハーパーパス・ルート（前出）から分岐していく手掘り天然温泉(野湯)。入浴できるかどうかは気象条件によるが、うまくいけば快適度の高い最高の温泉。

アーサーズパスからグレイマウス方向へ20キロほどのところにあるエイケンズ<Aickens>からハーパーパス・ルートにしたがって歩き始める。6時間ほどでオテハケ・リバー<Otehake River>の中州に湧いている天然温泉につく。

中州というより小さな島で、なかは林になっていて、テントを張れるスペースがある。林間のキャンプ場といった趣で、雰囲気がとてもいい。SH73（国道73号）からオテハケ温泉までの道のりは、標高差はあまりないが、川の渡渉が多く、日照りが続いたあとでさえ、水位は膝以上もあった。雨が降ると増水して、すぐに渡渉不能になってしまう。

オテハケ温泉は透明な硫黄泉で、源泉はやや熱目。脇をちょろちょろ流れている川の水をうまく引き込んで温度調整する。地面は掘りやすく、座って肩くらいの深さになる。川の中州という隔離された場所、まず人は来ないし、テントサイトもなかなかいいかんじで気分がいい。ただし日中は サンドフライ がうるさいのが玉にきず。

オテハケ温泉は、水際（厳密にいうと涸れ川のなか）に湧いているので、川が増水すると水没してしまう。テントサイトは完全な林になっていて安全だが、中州(小島)閉じ込められて停泊を余儀なくされることもある。十分の食料を持っていくこと。

[オテハケ温泉 Otehake Hot springs への行き方]

エイケンズ<Aickens>からオチラ・リバー<Otira River>を渡渉し、しばらくタラマク・リバー<Taramaku River>右岸に沿ってさかのぼる。やがて右手に<Lake Kaurapataka>へ向かうトラックが始まるので入る。<Lake Kaurapataka>の西端でトラックは分岐する。つり橋(Footbridge)方向ではない右へ行くのだが、めったに人が行かないため、やや分りにくい。木に"Otehake"と書かれた古ぼけたプレートがかかっている。このトラック、最初はいいのだが、おしまいのほうになると、崖のようなところを下る箇所がある。荷物が重いと、きついかもしれない。ところどころ木の幹などに赤い四角いプレートが打ち付けられている。見落とさないように。崖を下りるとオテハケ・リバー<Otehake River>の河原に出る。あとはオテハケ・リバー沿いを遡っていくだけだが、崖に行く手を阻まれて、3、4度ほど対岸へわたる必要がある。増水していなければ膝から腿くらいの水位。流れがきついので渡渉には十分注意が必要。オテハケ・リバーに出てから温泉までは1時間ほどだ。