◆Routeburn Track◆

【ルートバーン・トラック】

より本格的な山岳風景を楽しめるといわれるルートバーン・トラック。正直にいってここはぼくにとってはいまいちだった。もちろん悪かったわけではない。でもあのめんどうくさい予約と高い料金のことを考えると、そこまでして歩くほどのところかなと思ってしまう。

山岳風景なら ケプラー・トラック Kepler Track の方が本格的だと思うし、森の感じもおおざっぱで、グリーンストーン・トラック Greenstone Track の方がよっぽどきれいだった。結局ルートバーン・トラックならではのものってなんなんだろう？

ぼくにとってルートバーン・トラックの印象は良くない。歩いたのは夏の12月だったけど雪にたたられるし、寝袋がぬれてしまうし、ガソリン・ストーブが火だるまになって使えなくなってしまうし、ロクなことがなかった。

ルートバーン・トラックのハット（山小屋）代 $30は高いので テントサイト($9) を利用したのだけど、１日目に浸水でシュラフを濡らしてしまった。しょうがないからハットのストーブで干させてもらおうと思っていったら、どういうわけだかすぐにワーデン に見つかって、立ち入り禁止を言い渡されてしまった。

ワーデン：「あなたはテントサイトのお金しか払ってないから、ここを使う権利はないの」

ぼく：「でもシュラフが濡れちゃって、夜寝られそうにない。お願いだから干させて」

ワーデン：「だめ！　中を見るだけならいいけどヒーターにあたっても腰を下ろしてもダメ」

融通のきかない気の強そうな女性ワーデンだった。

本当は３泊４日でルートバーン・トラックを往復しようと思っていた。しかし寒いし、ストーブも壊れてしまっていて、とてもゆっくりできる気分ではない。結局無理して２泊３日で往復してしまった。悔しいけどあのマッケンジー・ハットのワーデンに言って１泊分のキャンプ・パスのキャンセル手続きをしてもらった。あとでテ・アナウ Te Anau のＤＯＣに行って約半額を返してもらった。

その後、リベンジとばかりにもう一度ルートバーン・トラックを歩いた。今度は3月だったが、大雨で、増水した滝のせいでコースは閉鎖寸前だった。多くの人がやむなく小屋に停泊する中、無理して途中下山した。もともと高い小屋代なのに、ペナルティ料金を払ってまで延泊したくはない。というようにルートバーン・トラックでは最後までもろくなことがなかった。

さて、ルートバーン・トラックのことは本やウェブサイトでいろんな人が書いているので、ここではちょっとしたアドバイスだけを簡単に。

ここを歩こうとするとだれもが頭を悩ますのが荷物をどうするかということ。テ・アナウとクイーンズタウンはあまりに離れすぎていて、余分な荷物をどうしたらいいのかと考えてしまう。いちばんてっとりばやいのは荷物を送ってしまうこと。バス会社に頼むと$6で届けてくれる。（1997年度）