ニュージーランド・トランピング＆温泉情報

知られざるＮＺ旅講座 ５

　個性派の宿が揃うバックパッカーズを楽しむ

　ニュージーランドを旅する魅力のひとつに、宿の楽しみがあります。トータル１年以上にわたる私の旅は、ある意味で、積極的な宿巡りの旅でもありました。

ベッドルームは清潔で明るい雰囲気	キッチンは自由に使える。でもルールは守って

　ツーリストの受け入れ体制が万全のニュージーランドでは、全国にあらゆるタイプの宿泊施設が整っています。なかでももっぱら私が利用していたのはバックパッカーズと呼ばれるタイプの宿です。なによりの魅力は1泊NZ15〜20ドルというその安さなんですが、単に安いだけでなく＋αの魅力を秘めているのがバックパッカーズなのです。
　システムは日本でもおなじみのユースホステルとほとんど同じで、ドミトリーという相部屋制、トイレ・シャワー、リビングなどは共用というスタイルです。もちろんニュージーランドにもユースホステルのネットワークはありますが、それと大きく異なるのは、バックパッカーズは完全な個人経営だという点です。
　オーナーの趣味が色濃く反映されるのがバックパッカーズのおもしろいところ。なかには単なる宿泊施設にとどまらない、とても魅力的な宿がたくさんあるのです。
　プライベートビーチを持ち、ムール貝などが採り放題の宿、敷地内を流れる川でカヌーを楽しめる宿、牧場内で自由に乗馬ができる宿、芸術家が自分の手で建てたアーティスティックな宿、中古の列車を改造した宿、敷地内にあるプール・サウナを自由に使えるリゾート気分の宿など。
　たったNZ15ドル（約750円）で、こんな贅沢な気分を味わっていいのだろうかというような魅惑のバックパッカーズが、全国にあります。バックパッカーズというと若者向けというイメージがあるかもしれませんが、実際には幅広い年代の人に利用されています。旅先のバックパッカーズでオランダから来たという初老のご夫婦にも出会いました。
　こだわりのバックパッカーズを巡って旅するのもニュージーランドの大きな楽しみ。安宿というイメージとは裏腹に、積極的なアクティビティとしてバックパッカーズを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ＢＢＨ

バックパッカーズ利用ガイドともいえるのが、BBH（Budget Backpackers Hostels New Zealand）という組織が発行しているこの冊子。全国に散らばる265（2000年度版）の加盟パックパッカーズのデータが網羅されている。興味深いのは利用者アンケートに基づいて出される各宿の好感度指数。下は35％と手厳しく評価されていて、信頼度はそこそこあると思う。私も過去2回アンケートに参加した。巻末の告宿のＰＲには、乗馬が無料、近隣の観光地まで無料送迎、などという役立つ情報も載っている。積極的なバックパッカーズ巡りを楽しむためには必携の−冊。空港や各町のインフォメーションセンター、加盟バックパッカーズで無料配布されている。