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トランピングというと、ミルフォード・トラックのお膝元、テ・アナウが有名ですが、おなじ南島にあるアーサーズ・パス国立公園はご存じでしょうか？
日本語のガイドブックではあまり取り上げられないせいか、日本人の知名度は今ひとつですが、実はここが山好きにはたまらない魅惑の楽園なのです。
今回は、普通のトランピングでは飽き足らない人のためのアーサーズ・パス国立公園についてご紹介したいと思います。
本格的な山歩きと美しい山並みが楽しめる
（Mt.Aickensへの途中で）
トレッキング初心者にとても人気が高いニュージーランドの山歩きですが、日本で少し登山をしていた人には、ちょっともの足りない部分があるのも事実。たとえばミルフォード・トラックは「世界一きれいな散歩道」と言われますが、ホントに散歩道のよう。真っ平らに整地された広いトラックが続き、登山のつもりでいった人は拍子抜けしてしまうと思います。
その他のトレッキングコースも、日本のように山頂を目指すようなコースはほとんどありませんし、途中に魅力的なピークがあってもわざわざ迂回するように作られています。
「もっとハードに山を攻めたい」。そんな人に最適なのがアーサーズ・パス国立公園です。その荒々しい山の世界は、きっと満足できるはず。
アーサーズ・パス村は南島玄関口クライストチャーチの内陸154キロ、南島の中央を走るサザンアルプスの上に位置します。
村自体の標高が高く、30分も山を登ればすぐに森林限界。村を中心にたくさんのコースが設定されているのですが、その多くが山のピークを目指すものです。
特にビジターセンターのすぐ脇から入山するアバランチ・ピーク・トラック Avalanche Peak Track （アバランシェ・ピークとも表記）は気軽に天上界の気分を味わえるコースとして評判です。ニュージーランド随一の日帰りコースト絶賛する人もいるほど。ここから見える連なる山々の景色はフィヨルドランドでは味わえないかなり本格的なもの。
冬はスキー場として知られるテンプル・ベイスン Temple basin も日帰り気軽なハイキングとして人気です。山の眺望はもちろん高山植物ウォッチングを楽しむ中高年の方の姿もよく見かけます。
アーサーズ・パスは昔から島の東西を結ぶ主要街道でした。歴史的な由来を持つ史跡も多く残っており、それらを巡って散歩をするのも楽しいものです。アーサーズ・パスに宿をとり、のんびりと付近の散策を楽しんでみるのはどうでしょう。
もちろん泊まりで歩く本格的なトレッキングコースも充実しています。"Route Guide Series"としてＤＯＣに用意されているパンフレットは全11種類。村をベースにトレッキングをはしごしていたら、それこそ数ヶ月はかかってしまうほどに豊富なコースに恵まれているのです。
すっかりアーサーズ・パスの魅力にとりつかれてしまった私は、これまで合わせて数ヶ月をここで過ごしました。それでも飽きたらず、またニュージーランドへ行く機会があったら、また是非訪れたいと思っています。
One Point
国立公園のベースとなるアーサーズ・パス・ビレッジ（村） Arthur's Pass Village はクライストチャーチより内陸へ154キロ。ウェストコーストへ向かうバスで2時間ほど。村から歩いていける範囲にたくさんの日帰りコースがあり、詳細はＤＯＣで売っている$1のパンフレットを参照のこと。（クライストチャーチのビジターセンターでも手に入ります）
Arthur's Pass Village はとても小さな集落で、数軒の宿とカフェ兼デイリーストアとレストランがあるのみ。バックパッカーズに泊まるつもりなら、事前に食料の買いだめをしておきたい。ＤＯＣのビジターセンターがあって、山歩き情報・気象情報の提供を行なっている。入山届けの提出箱もあるので、事前に必ず立ち寄ること。
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